2010のほんの少し前

明けましておめでとうございます。
2009年最後粘ろうと思ったけど、やっぱりあっという間に明けてしまいました。
今年は久しぶりに東京での年越しだから、あんまり実感わいてませんが。
今年もよろしくお願いします。
さて、「年始の決意」はせめて初日の出を浴びてからにするとして。。
再販されたルドルフ・オルジアティの作品集がやっと届きました。
三時間くらいスタバで見入ってしまったけど、素晴らしい。本自体もかっこいいし。
超レア本だったということで自分には縁がないと思ってあきらめていたのに、まさか再販されるとは。ついでに篠原一男の作品集も再販されないだろうか。ボリュームの扱いとか立面のつくりかたとかが本当にいいなあと思う。あと階段の作り方がおもしろい。基本的なところは外してないけれど、チャレンジングでとても自由に見えます。「お面」の話じゃないけど、定型に則りながらの自由を良く体現している、彼の建築たちは。
忘年会で再会した友達が、三ヶ月のヨーロッパ旅行の成果、膨大なスケッチをまとめた一冊の分厚い本を見せてくれました。それがとても素敵で。彼はもともとスケッチがうまいというのもあるんだけど、旅の最初と最後では、スケッチの質が大きく変わっていて。絵の技術というよりは、何を線にするかというところが大きく違うのかな。本人も言ってたけど、何を書くべきかだんだんわかってきたと。
最近特に建築を実際に見に行きたいという衝動が強くて、年末に谷口吉生の法隆寺宝物館とか、その父吉郎のホテルオークラとか見に行ったけれど、その立派な本を通して、自分にとって、スケッチひとつすることの意味を改めて考えさせられた。
吉生さんはやっぱり、面が強くて、ファサードをきちんとつくる人だけど、今回新しく面白いと思ったのは、「大きな空間の体験的分割」という考え方。大屋根は大きいスケールだけれど、入り口の高さをかなり抑えたり、そういうところはきちんとしてるから、つらくない。そして「大きな空間の体験的分割」というのは、これから説明する一つの仮説。導線にしたがっていくと、その大きな空間に何回か、それぞれ別のかたちで再登場することになる。まずエントランスホールから入って、展示を見てるうちにブリッジとかでまたその空間にでくわして、最後にまた違うところからその空間に戻ってくる、といった具合に。それは何かこう、自分の身体の位置と空間との関わり方の想像力を、体験を通して埋め込むということなのではないかと思う。







ホテルオークラもすごく感動したけど、眠くなってきたので、改めてまた。

2 Comments

  1. says:

    2010年1月25日 at 4:00 PM

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    こんにちは。
    卒論で谷口吉生さんの美術館について研究していたので、思わず反応してしまいました。
    「大きな空間の体験的分割」というようなことに関しても触れようとしました。
    僕のつたない能力では頭の中とアウトプットは全く対応していないですが。
    このエントリで言われている体験、僕もとても共有できます。私は「拠点がありながらたどるような感覚」と吉生さんの美術館について表現していました。
    同じような感覚を持った人を見つけてつい思わず、失礼しました。

  2. mi says:

    2010年1月25日 at 11:32 PM

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    どうもこんにちは、宮城島です。コメントありがとうございます。
    谷口さんは構成が明快だから、「体験的分割」を生むように、動線のほうで工夫しているのかなと思います。決して嫌味な誘導でなくて、なにか自分がその大きな空間に位置づいているような感じを与えているから大きい空間なのに落ち着くのかな。家具の配置からも大きな空間に対してどうやって参加したらいいのか、意図が読み取れます(ちょっと窮屈な感じもするけど)。
    明快な構成をとっている建築には、よくみられる感覚かもしれません。
    拠点があるというのは、構成的なヒエラルキーが明快だということですね。
    坂倉さんの、神奈川県立近代美術館も明快な構成と評されているけれど、動線の抑揚によってまた違った建築になっている。あれは個人的にすごく好きな建築なんだけれども。それに比べると、シザの建築なんかは、とても対比的だなあと気づきました。ポルト現代美術館とかポルト大学建築学科棟とか。構成は複雑で、でもどこにいても、その空間が「拠点」に感じてしまうというような、有機的なつながりを持っている気がします。その視点でみると、対比的ですね。
    卒論、おもしろい論文になったら(笑)、是非みせてください。
    長くなってしまいました。また気になったらコメントください。では卒論頑張って!

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