山裾の家

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札幌市の郊外住宅地に建つ住宅である。敷地は町並みが見通せるT字路の突き当たりにあり、反対側に手稲山を望む、山の裾野に位置する。そこで、緩やかに傾斜する地形を活かし、山の眺望を得つつ北海道の厳しい環境の中でも周辺環境を豊かに感じられる建築を目指した。
プランは、T字路を延長するように敷地の中央を貫く道状のヴォリュームを挿入し、北側に駐車場を、南側に庭を確保するとほぼ点対称形となった。その中心に土間とテラス窓を設けることで、寒冷地において開口部を最小限に抑えながらも内外を大胆に繋いだ。1階の床のレべルを山に向かって少しずつ高くしながら立体的に分節し、眺望や光、開放感を求めて天井の高さや開口部の位置を調節すると、遠くの風景や身近な周辺環境を巻き込んだ多様な見えがかりをもつシークエンスが生まれた。伸びやかな断面構成は、小さいヴォリュームが連結したような外観となって現れる。札幌市の住宅地は、雪を載せたままにしておくフラットルーフが一般的だ。除雪の妨げになる塀が無い住宅地に、無機質な箱が並ぶ風景は味気ないが、フラットルーフを分割し、高さに変化を与えれば、敷地内に光が回り、動きと奥行きを感じる風景が生まれる。 
この住宅では内外の繋がり方や天井高の調節など、手稲山まで含めた地形を設計の手がかりにした。アイヌの人びとがかつて名付けた地名に表される地形的な特徴こそ、宅地化のはるか以前より続く不変なものである。また、今回土間や天井高で応用したように、先人たちが育んできた寒冷地の建築技術や知恵を活かし、環境との関係を問い直すことから北海道のバナキュラー建築の探求を試みたい山の裾野であることを認識するように、その場所で起こっているさまざまな現象の本質となるような環境をつかみ、対話しながら設計することで、建築は風景や大地と一体になり、緊張感を持って対峙する確かな存在となる。

山裾の家

札幌市の郊外住宅地に建つ住宅である。敷地は町並みが見通せるT字路の突き当たりにあり、反対側に手稲山を望む、山の裾野に位置する。そこで、緩やかに傾斜する地形を活かし、山の眺望を得つつ北海道の厳しい環境の中でも周辺環境を豊かに感じられる建築を目指した。
プランは、T字路を延長するように敷地の中央を貫く道状のヴォリュームを挿入し、北側に駐車場を、南側に庭を確保するとほぼ点対称形となった。その中心に土間とテラス窓を設けることで、寒冷地において開口部を最小限に抑えながらも内外を大胆に繋いだ。1階の床のレべルを山に向かって少しずつ高くしながら立体的に分節し、眺望や光、開放感を求めて天井の高さや開口部の位置を調節すると、遠くの風景や身近な周辺環境を巻き込んだ多様な見えがかりをもつシークエンスが生まれた。伸びやかな断面構成は、小さいヴォリュームが連結したような外観となって現れる。札幌市の住宅地は、雪を載せたままにしておくフラットルーフが一般的だ。除雪の妨げになる塀が無い住宅地に、無機質な箱が並ぶ風景は味気ないが、フラットルーフを分割し、高さに変化を与えれば、敷地内に光が回り、動きと奥行きを感じる風景が生まれる。 
この住宅では内外の繋がり方や天井高の調節など、手稲山まで含めた地形を設計の手がかりにした。アイヌの人びとがかつて名付けた地名に表される地形的な特徴こそ、宅地化のはるか以前より続く不変なものである。また、今回土間や天井高で応用したように、先人たちが育んできた寒冷地の建築技術や知恵を活かし、環境との関係を問い直すことから北海道のバナキュラー建築の探求を試みたい山の裾野であることを認識するように、その場所で起こっているさまざまな現象の本質となるような環境をつかみ、対話しながら設計することで、建築は風景や大地と一体になり、緊張感を持って対峙する確かな存在となる。
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