仁井田本家鳳蔵/酒蔵の建築群
酒の仕込みに使われる蔵。「おおとりぐら」と読む。もとは3つの建物が一体となっており、それぞれ第一鳳蔵、第二鳳蔵、第三鳳蔵と呼ばれた。第一鳳蔵は70年代に喜多方から移築されたという力強い大断面の梁が特徴的な木造建築であり、第二鳳蔵は移築の際に増築した片流れ屋根の部分、第三鳳蔵はさらにそのあとで増築された鉄骨造の倉庫であった。第三鳳蔵は解体し、第一鳳蔵と第二鳳蔵を改修する。第一鳳蔵はもと三階建てであったが法規の観点から三階床を減築し、第一鳳蔵と第二鳳蔵は一体として耐震補強を施し、今後の使い方に合わせて改修を行った。仕込み蔵は1階に〇〇Lのホーロータンクがならび、二階床から仕込み作業を行う仕組みになっている。自給自足を標榜する仁井田本家は、ホーロータンクを使った仕込みから、自社林から得る杉材でつくった木桶を使った仕込みへシフトすることを決めた。毎年ひとつずつ木桶をつくり足し、ホーロータンクを置き換えてゆく。ホーロータンクは一度入れたら出す必要がほぼなかったので、既存建物はいつしかタンクの出し入れを想定しないつくりになっていたが、木桶はたがを締め直すなどのメンテナンスのため、定期的に出し入れする必要がある。そこで、フォークリフトで木桶ごと出し入れできる着脱式の架台を設けて、ホーロータンクより浅い木桶の高さ調整と出し入れができようにし、木桶のための出入口を新設した。
毎年の木桶づくり、木桶の入れ替えは感動的なイベントである。建築はそれにふさわしい形を与えなければならない。そこで鳳蔵のファサードを彩るように大きな庇を設けた。丸太の木組みは酒蔵の間伐材で、屋根には敷地内にある酛場蔵の改修時に出た瓦を転用した。軒先の役物だけは、喜多方で解体された蔵の瓦を見つけてそれを用いた。ファサードより少し出っ張らせた扉まわりは、阿武隈川の川砂利の洗い出し仕上げとし、扉の面には細く割いた杉材を用いた。木桶づくりの際にでた端材である。
二階床は仮設的なものだったのでやりかえた。床材はもともと三階の床として使われていたものを再製材し、柿渋を塗って貼り直した。余った材料は新設した門扉の面材に転用している。
毎年の木桶づくり、木桶の入れ替えは感動的なイベントである。建築はそれにふさわしい形を与えなければならない。そこで鳳蔵のファサードを彩るように大きな庇を設けた。丸太の木組みは酒蔵の間伐材で、屋根には敷地内にある酛場蔵の改修時に出た瓦を転用した。軒先の役物だけは、喜多方で解体された蔵の瓦を見つけてそれを用いた。ファサードより少し出っ張らせた扉まわりは、阿武隈川の川砂利の洗い出し仕上げとし、扉の面には細く割いた杉材を用いた。木桶づくりの際にでた端材である。
二階床は仮設的なものだったのでやりかえた。床材はもともと三階の床として使われていたものを再製材し、柿渋を塗って貼り直した。余った材料は新設した門扉の面材に転用している。
建築概要
主体構造・構法 木造在来工法
基礎 ベタ基礎
規模 階数 地上2階
軒高 8,283mm 最高高さ 10,792mm
敷地面積 5,915.67㎡
建築面積 375.83㎡(建蔽率33.60% 許容40%)
延床面積 492.93㎡(容積率72.24% 許容80%)
1階 375.83㎡
2階 122.10㎡
設計期間 2019年 6月〜2022年 4月
工事期間 2022年 5月〜2022年 9月
設計
宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 森秀太 吉田拓(元所員)
構造設計
TSEC 担当/佐藤拓真
主体構造・構法 木造在来工法
基礎 ベタ基礎
規模 階数 地上2階
軒高 8,283mm 最高高さ 10,792mm
敷地面積 5,915.67㎡
建築面積 375.83㎡(建蔽率33.60% 許容40%)
延床面積 492.93㎡(容積率72.24% 許容80%)
1階 375.83㎡
2階 122.10㎡
設計期間 2019年 6月〜2022年 4月
工事期間 2022年 5月〜2022年 9月
設計
宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 森秀太 吉田拓(元所員)
構造設計
TSEC 担当/佐藤拓真
照明
LIGHT PLAN 担当/山本博之
宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人
写真
阿野太一
施工
エスディ・ショップ 荒川健太郎
左官 菅野左官工業所 担当/菅野勇雄 菅野拓真
施工
エスディ・ショップ 荒川健太郎
左官 菅野左官工業所 担当/菅野勇雄 菅野拓真
空調・衛生 冷暖
電気 恒南エンジニアリング
仁井田本家鳳蔵/酒蔵の建築群
酒の仕込みに使われる蔵。「おおとりぐら」と読む。もとは3つの建物が一体となっており、それぞれ第一鳳蔵、第二鳳蔵、第三鳳蔵と呼ばれた。第一鳳蔵は70年代に喜多方から移築されたという力強い大断面の梁が特徴的な木造建築であり、第二鳳蔵は移築の際に増築した片流れ屋根の部分、第三鳳蔵はさらにそのあとで増築された鉄骨造の倉庫であった。第三鳳蔵は解体し、第一鳳蔵と第二鳳蔵を改修する。第一鳳蔵はもと三階建てであったが法規の観点から三階床を減築し、第一鳳蔵と第二鳳蔵は一体として耐震補強を施し、今後の使い方に合わせて改修を行った。仕込み蔵は1階に〇〇Lのホーロータンクがならび、二階床から仕込み作業を行う仕組みになっている。自給自足を標榜する仁井田本家は、ホーロータンクを使った仕込みから、自社林から得る杉材でつくった木桶を使った仕込みへシフトすることを決めた。毎年ひとつずつ木桶をつくり足し、ホーロータンクを置き換えてゆく。ホーロータンクは一度入れたら出す必要がほぼなかったので、既存建物はいつしかタンクの出し入れを想定しないつくりになっていたが、木桶はたがを締め直すなどのメンテナンスのため、定期的に出し入れする必要がある。そこで、フォークリフトで木桶ごと出し入れできる着脱式の架台を設けて、ホーロータンクより浅い木桶の高さ調整と出し入れができようにし、木桶のための出入口を新設した。
毎年の木桶づくり、木桶の入れ替えは感動的なイベントである。建築はそれにふさわしい形を与えなければならない。そこで鳳蔵のファサードを彩るように大きな庇を設けた。丸太の木組みは酒蔵の間伐材で、屋根には敷地内にある酛場蔵の改修時に出た瓦を転用した。軒先の役物だけは、喜多方で解体された蔵の瓦を見つけてそれを用いた。ファサードより少し出っ張らせた扉まわりは、阿武隈川の川砂利の洗い出し仕上げとし、扉の面には細く割いた杉材を用いた。木桶づくりの際にでた端材である。
二階床は仮設的なものだったのでやりかえた。床材はもともと三階の床として使われていたものを再製材し、柿渋を塗って貼り直した。余った材料は新設した門扉の面材に転用している。
毎年の木桶づくり、木桶の入れ替えは感動的なイベントである。建築はそれにふさわしい形を与えなければならない。そこで鳳蔵のファサードを彩るように大きな庇を設けた。丸太の木組みは酒蔵の間伐材で、屋根には敷地内にある酛場蔵の改修時に出た瓦を転用した。軒先の役物だけは、喜多方で解体された蔵の瓦を見つけてそれを用いた。ファサードより少し出っ張らせた扉まわりは、阿武隈川の川砂利の洗い出し仕上げとし、扉の面には細く割いた杉材を用いた。木桶づくりの際にでた端材である。
二階床は仮設的なものだったのでやりかえた。床材はもともと三階の床として使われていたものを再製材し、柿渋を塗って貼り直した。余った材料は新設した門扉の面材に転用している。
建築概要
主体構造・構法 木造在来工法
基礎 ベタ基礎
規模 階数 地上2階
軒高 8,283mm 最高高さ 10,792mm
敷地面積 5,915.67㎡
建築面積 375.83㎡(建蔽率33.60% 許容40%)
延床面積 492.93㎡(容積率72.24% 許容80%)
1階 375.83㎡
2階 122.10㎡
設計期間 2019年 6月〜2022年 4月
工事期間 2022年 5月〜2022年 9月
設計
宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 森秀太 吉田拓(元所員)
構造設計
TSEC 担当/佐藤拓真
主体構造・構法 木造在来工法
基礎 ベタ基礎
規模 階数 地上2階
軒高 8,283mm 最高高さ 10,792mm
敷地面積 5,915.67㎡
建築面積 375.83㎡(建蔽率33.60% 許容40%)
延床面積 492.93㎡(容積率72.24% 許容80%)
1階 375.83㎡
2階 122.10㎡
設計期間 2019年 6月〜2022年 4月
工事期間 2022年 5月〜2022年 9月
設計
宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 森秀太 吉田拓(元所員)
構造設計
TSEC 担当/佐藤拓真
照明
LIGHT PLAN 担当/山本博之
宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人
写真
阿野太一
施工
エスディ・ショップ 荒川健太郎
左官 菅野左官工業所 担当/菅野勇雄 菅野拓真
施工
エスディ・ショップ 荒川健太郎
左官 菅野左官工業所 担当/菅野勇雄 菅野拓真
空調・衛生 冷暖
電気 恒南エンジニアリング

