丘のまち交流館 ビ・エール

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かつて、スーパーマーケットとして町民に親しまれたが、すでに役目を終えていた建物を、育児支援機能や芸術活動を支援するギャラリーを核とする、地域住民のための新たなコミュニティ空間として再生した。目的も世代も異なる人々が、まちの中心で思い思いに過ごし交流できる場こそ、美瑛町が求める公共空間のオルタナティブであった。既存建物は、地上2階建て一部に地下をもち、1階は物販、2階は住居に使われていた。内部がスケルトン状態のごく一般的な「既存鉄骨フレーム」だが、両階の階高が大きく異なることは特徴的であった。これは、1階を公共性の高いイベント空間、2階を住民が過ごすリビング空間に再利用することを想起させるものであった。

まず、垂直積雪量値の改定による既存不適格への対応と、増築を伴う用途変更を実現させるために不可欠であった、既存躯体への荷重を減らす「トップライトをもつ大屋根」によって、「既存鉄骨フレーム」を覆う“さや堂”の構成とし、この建物の基本的な特徴をかたちづくった。積雪荷重を新規構造躯体が負担し、既存建物の屋根スラブを全面撤去することにより、既存躯体にかかる荷重が大幅に軽減され耐震性が向上する。これに、2階に配置した「筒状の空間」、1階に配置した美瑛軟石を再利用した「自立する石壁」を加えることによって、「既存鉄骨フレーム」によるコンベンショナルな空間を、居心地のよい人々の活動の場になるよう仕立てることを意図した。


「トップライトをもつ大屋根」は、北方圏の柔らかな自然光を室内に導き、水平ルーバーで拡散した光は、刻々と変化する光の領域をつくる。「既存鉄骨フレーム」に貫入し、ルーバーを介さず大屋根と直結する「筒状の空間」は、2階に必要な機能を与え、各プログラムと空間をゆるやかに分節しつつ、相互の多様な繋がりを生む。その一部は中空になっていて、2階床を貫通し1階ギャラリーに自然光を導いている。1階にたつ「自立する石壁」は、構造的に独立したもので、既存躯体に荷重をかけることなく「既存鉄骨フレーム」の内外に立ち上がっている。美瑛町の原風景のひとつである石蔵の空間体験とその記憶を受け継ぎながら、まちとの新たな関係をつくる。

このように、この建築は、「既存鉄骨フレーム」「トップライトをもつ大屋根」「自立する石壁」「筒状の空間」の4つの自律した構成要素の重ね合わせによってつくられている。しかし、部分が無機的に併置されるのではなく、全体が自律した部分の有機的な纏まりとして成立し、多様な空間の表情の中に部分から全体を感じさせること、さらに、利用者の活動やまちの景観と豊かな関係を築き、建物の向こう側に新たな世界の広がりを期待させ、人々の想像力を刺激する空間の奥行きのようなものをつくることを意図した。


共同設計:小澤丈夫 菊池規雄

写真:No.01~51  阿野太一

丘のまち交流館 ビ・エール

かつて、スーパーマーケットとして町民に親しまれたが、すでに役目を終えていた建物を、育児支援機能や芸術活動を支援するギャラリーを核とする、地域住民のための新たなコミュニティ空間として再生した。目的も世代も異なる人々が、まちの中心で思い思いに過ごし交流できる場こそ、美瑛町が求める公共空間のオルタナティブであった。既存建物は、地上2階建て一部に地下をもち、1階は物販、2階は住居に使われていた。内部がスケルトン状態のごく一般的な「既存鉄骨フレーム」だが、両階の階高が大きく異なることは特徴的であった。これは、1階を公共性の高いイベント空間、2階を住民が過ごすリビング空間に再利用することを想起させるものであった。

まず、垂直積雪量値の改定による既存不適格への対応と、増築を伴う用途変更を実現させるために不可欠であった、既存躯体への荷重を減らす「トップライトをもつ大屋根」によって、「既存鉄骨フレーム」を覆う“さや堂”の構成とし、この建物の基本的な特徴をかたちづくった。積雪荷重を新規構造躯体が負担し、既存建物の屋根スラブを全面撤去することにより、既存躯体にかかる荷重が大幅に軽減され耐震性が向上する。これに、2階に配置した「筒状の空間」、1階に配置した美瑛軟石を再利用した「自立する石壁」を加えることによって、「既存鉄骨フレーム」によるコンベンショナルな空間を、居心地のよい人々の活動の場になるよう仕立てることを意図した。


「トップライトをもつ大屋根」は、北方圏の柔らかな自然光を室内に導き、水平ルーバーで拡散した光は、刻々と変化する光の領域をつくる。「既存鉄骨フレーム」に貫入し、ルーバーを介さず大屋根と直結する「筒状の空間」は、2階に必要な機能を与え、各プログラムと空間をゆるやかに分節しつつ、相互の多様な繋がりを生む。その一部は中空になっていて、2階床を貫通し1階ギャラリーに自然光を導いている。1階にたつ「自立する石壁」は、構造的に独立したもので、既存躯体に荷重をかけることなく「既存鉄骨フレーム」の内外に立ち上がっている。美瑛町の原風景のひとつである石蔵の空間体験とその記憶を受け継ぎながら、まちとの新たな関係をつくる。

このように、この建築は、「既存鉄骨フレーム」「トップライトをもつ大屋根」「自立する石壁」「筒状の空間」の4つの自律した構成要素の重ね合わせによってつくられている。しかし、部分が無機的に併置されるのではなく、全体が自律した部分の有機的な纏まりとして成立し、多様な空間の表情の中に部分から全体を感じさせること、さらに、利用者の活動やまちの景観と豊かな関係を築き、建物の向こう側に新たな世界の広がりを期待させ、人々の想像力を刺激する空間の奥行きのようなものをつくることを意図した。


共同設計:小澤丈夫 菊池規雄

写真:No.01~51  阿野太一

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