雑司が谷のシェアハウス

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雑司ヶ谷の鬼子母神堂にほど近い、築35年の木造住宅を7人が暮らすシェアハウスへ改修する計画である。敷地は副都心線雑司ヶ谷駅と池袋駅まで徒歩圏内の閑静な住宅地にある。シェアハウスは、各住民がプライベートな小さい個室を持ち、リビングやキッチンなどをシェアして暮らす住まい方であり、もともとは学生や外国人、若い会社員などの利用が一般的であった。現在では、都心のセカンドハウスやホテル代わりの利用など、その利用のされ方はより多様化しているようだ。特に都内では徐々にその数を増やしており、都市居住の新たな形態としてすでに都市インフラのひとつになりつつある。こうした新たな都市居住を考えるにあたり、一人では獲得できない大きな空間をシェアできるという、シェアハウスに住むことの最も根源的な豊かさを最大化することを計画の主題とした。

”かたまり”と”がらんどう”
個室には防音性、断熱性、空調効率、メンテナンスのしやすさ、必要最小面積、開口率など、賃貸商品としての性能を備えることが求められた。その為個室は、上記の要求を満たすように仕様や開口を調整して隣地建物と距離のある南面と、雰囲気の良い路地側にまとめて配置し、高性能なひとつの“かたまり”として構成した。 個室以外のシェア空間は、家族が団欒するような親密な空間ではないし、かといってワンルームマンションの無機質な廊下や階段とも異なる、家の中のような外のような曖昧な空間である。こうした空間には、いろいろな人や物が共存しても気にならないように、多様なエレメントや素材感、光の動きなどを参加させることがふさわしいのではないかと考えた。そこで、玄関、廊下、階段室、共有リビングなどのシェア空間をひとつながりに連続させ、軸組を露出させて積極的に光を取り込み、個室群の“かたまり”とは対比的な、解放感のある”がらんどう”とした。家から外に出たときに、外の世界が色々な表情を持っているように、差し込む光とあらわされた軸組や小屋組によって、絶えず表情を変える空間である。結果的にこのがらんどうは、既存の古い木造軸組の存在や、そこに射込む光の存在、窓から覗く周囲のシーンが感じられる、“豊潤ながらんどう“とでもいうべきものとなった。ここに住む誰もが家の端から端を貫く”豊潤ながらんどう“を体験し、ひとつの大きな空間で生活する豊かさを感じることができればよいと思う。玄関から見て動線的に一番奥となる共用リビングは、天井と壁に大きな開口を設け、特に道路側の開口はベンチのついた巨大な出窓とすることで空間にひろがりを与えようとした。小道を見通せる明るく暖かい大きな窓辺は、自然と人が集まるこの家のよりどころとなった。

雑司が谷のシェアハウス

雑司ヶ谷の鬼子母神堂にほど近い、築35年の木造住宅を7人が暮らすシェアハウスへ改修する計画である。敷地は副都心線雑司ヶ谷駅と池袋駅まで徒歩圏内の閑静な住宅地にある。シェアハウスは、各住民がプライベートな小さい個室を持ち、リビングやキッチンなどをシェアして暮らす住まい方であり、もともとは学生や外国人、若い会社員などの利用が一般的であった。現在では、都心のセカンドハウスやホテル代わりの利用など、その利用のされ方はより多様化しているようだ。特に都内では徐々にその数を増やしており、都市居住の新たな形態としてすでに都市インフラのひとつになりつつある。こうした新たな都市居住を考えるにあたり、一人では獲得できない大きな空間をシェアできるという、シェアハウスに住むことの最も根源的な豊かさを最大化することを計画の主題とした。

”かたまり”と”がらんどう”
個室には防音性、断熱性、空調効率、メンテナンスのしやすさ、必要最小面積、開口率など、賃貸商品としての性能を備えることが求められた。その為個室は、上記の要求を満たすように仕様や開口を調整して隣地建物と距離のある南面と、雰囲気の良い路地側にまとめて配置し、高性能なひとつの“かたまり”として構成した。 個室以外のシェア空間は、家族が団欒するような親密な空間ではないし、かといってワンルームマンションの無機質な廊下や階段とも異なる、家の中のような外のような曖昧な空間である。こうした空間には、いろいろな人や物が共存しても気にならないように、多様なエレメントや素材感、光の動きなどを参加させることがふさわしいのではないかと考えた。そこで、玄関、廊下、階段室、共有リビングなどのシェア空間をひとつながりに連続させ、軸組を露出させて積極的に光を取り込み、個室群の“かたまり”とは対比的な、解放感のある”がらんどう”とした。家から外に出たときに、外の世界が色々な表情を持っているように、差し込む光とあらわされた軸組や小屋組によって、絶えず表情を変える空間である。結果的にこのがらんどうは、既存の古い木造軸組の存在や、そこに射込む光の存在、窓から覗く周囲のシーンが感じられる、“豊潤ながらんどう“とでもいうべきものとなった。ここに住む誰もが家の端から端を貫く”豊潤ながらんどう“を体験し、ひとつの大きな空間で生活する豊かさを感じることができればよいと思う。玄関から見て動線的に一番奥となる共用リビングは、天井と壁に大きな開口を設け、特に道路側の開口はベンチのついた巨大な出窓とすることで空間にひろがりを与えようとした。小道を見通せる明るく暖かい大きな窓辺は、自然と人が集まるこの家のよりどころとなった。
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