NTKJ ブリッジ/樹脂レンズ工場の建築群
ランドスケープ的な現象
既存の環境に介入するという意味ですべてはリノベーションである。私たちが向き合っているのはある計画の続きであり、完了したり破綻したり塩漬けになった計画が残したモノたちを、繋ぎ変えたり別の文脈に位置づけ直したりしながら新たな環境を紡ごうとする。
世界有数の技術で光学樹脂レンズ*を製造する日本特殊光学樹脂(NTKJ)は、世代交代に伴う技術継承や組織づくりなどの課題に取り組むなかで、社内の円滑なコミュニケーションを促す新しい環境を求めた。製造の効率化を第一に分業ベースで計画された当時の工場は、部門間で密に連携しながら業務を進めていくような構造とは程遠い。そこで離れて建つ2棟の工場を2階レベルで繋ぐブリッジを新築し、分散する事務機能を集約した新たなオフィスを工場内につくることを通して、画一的な工場を創造的な環境に変える。全長30mに及ぶブリッジはスムーズな人貨の移動を叶えるだけでなく、その有機的な形によるランドスケープ的な広がりをもって、2つの工場に挟まれた無味乾燥な駐車場を活性化し、建物と一体の公園のような広場に見立てる。工場から飛び出すように緩やかなカーブを描く空中の”園路”は工場の日常に開放感を与え、オフィス空間(次期工事を予定)に連続する。白く湾曲した立体はプリズムレンズで覆われた柱に支持される。レンズによる光の屈折と反射により、見る角度や光の入り方によって刻々と表情を変える現象的な柱である。滑らかで動きのある形がさまざまなイメージを想起させ、光と戯れる柱は実像を結ばず非現実的な様相を見せる。このランドスケープ的な現象はそこにあったモノのあり方を揺さぶり、駐車場が広場になるように、また”園路”の先にある工場が開放的なオフィスになるよう触発する。こうした連鎖は、ある計画の続きに柔らかな方向性を与え次なる想像力を生む。制御しきれない建築の現象的な側面は、建築を含めた大きな環境を創出するうえで大きな可能性がある。
施工
建築 シグマ建設 担当/福井良太 西口友晃
基礎 早伸松陽組 担当/簑島良宏
鉄骨躯体 髙橋工業 担当/髙橋和志 小野寺義昭
塗装 松坂屋建材 担当/石川学
金物 前田製作所 担当/前田稔
レンズ製作 日本特殊光学樹脂 担当/佐藤公一 佐藤章志
木サッシ 君嶋建具店 担当/君嶋清信
自動ドア ナブコシステム 担当/松本直樹
電気 関根電気商会
既存の環境に介入するという意味ですべてはリノベーションである。私たちが向き合っているのはある計画の続きであり、完了したり破綻したり塩漬けになった計画が残したモノたちを、繋ぎ変えたり別の文脈に位置づけ直したりしながら新たな環境を紡ごうとする。
世界有数の技術で光学樹脂レンズ*を製造する日本特殊光学樹脂(NTKJ)は、世代交代に伴う技術継承や組織づくりなどの課題に取り組むなかで、社内の円滑なコミュニケーションを促す新しい環境を求めた。製造の効率化を第一に分業ベースで計画された当時の工場は、部門間で密に連携しながら業務を進めていくような構造とは程遠い。そこで離れて建つ2棟の工場を2階レベルで繋ぐブリッジを新築し、分散する事務機能を集約した新たなオフィスを工場内につくることを通して、画一的な工場を創造的な環境に変える。全長30mに及ぶブリッジはスムーズな人貨の移動を叶えるだけでなく、その有機的な形によるランドスケープ的な広がりをもって、2つの工場に挟まれた無味乾燥な駐車場を活性化し、建物と一体の公園のような広場に見立てる。工場から飛び出すように緩やかなカーブを描く空中の”園路”は工場の日常に開放感を与え、オフィス空間(次期工事を予定)に連続する。白く湾曲した立体はプリズムレンズで覆われた柱に支持される。レンズによる光の屈折と反射により、見る角度や光の入り方によって刻々と表情を変える現象的な柱である。滑らかで動きのある形がさまざまなイメージを想起させ、光と戯れる柱は実像を結ばず非現実的な様相を見せる。このランドスケープ的な現象はそこにあったモノのあり方を揺さぶり、駐車場が広場になるように、また”園路”の先にある工場が開放的なオフィスになるよう触発する。こうした連鎖は、ある計画の続きに柔らかな方向性を与え次なる想像力を生む。制御しきれない建築の現象的な側面は、建築を含めた大きな環境を創出するうえで大きな可能性がある。
*フレネルレンズをはじめとする超高精細プラスチックレンズ。用途は多岐にわたり、立体映像や非接触ディスプレイ、光学センサー、建材、アート作品など。
建築概要
主体構造 鉄骨造
杭・基礎 直接基礎
杭・基礎 直接基礎
敷地面積 5681.21m2
建築面積 1736.22m2(うちブリッジ 78.31m2)
延床面積 3523.22m2(うちブリッジ 8.22m2)
建蔽率 30.56% (許容:60%)
容積率 62.00% (許容:200%)
階数 地上1階
建築面積 1736.22m2(うちブリッジ 78.31m2)
延床面積 3523.22m2(うちブリッジ 8.22m2)
建蔽率 30.56% (許容:60%)
容積率 62.00% (許容:200%)
階数 地上1階
最高高 8,850mm
軒高 8,800mm
天井高 2,200〜2,800mm
主なスパン 17,960mm
軒高 8,800mm
天井高 2,200〜2,800mm
主なスパン 17,960mm
設計
宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 清水襟子 吉田昂平(3D形状検討補佐)
構造
構造
yasuhirokaneda STRUCTURE 担当/金田泰裕 木村友美(元所員) 白石恵美(元所員)
監理 宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 清水襟子
監理 宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 清水襟子
施工
建築 シグマ建設 担当/福井良太 西口友晃
基礎 早伸松陽組 担当/簑島良宏
鉄骨躯体 髙橋工業 担当/髙橋和志 小野寺義昭
塗装 松坂屋建材 担当/石川学
金物 前田製作所 担当/前田稔
レンズ製作 日本特殊光学樹脂 担当/佐藤公一 佐藤章志
木サッシ 君嶋建具店 担当/君嶋清信
自動ドア ナブコシステム 担当/松本直樹
電気 関根電気商会
NTKJ ブリッジ/樹脂レンズ工場の建築群
ランドスケープ的な現象
既存の環境に介入するという意味ですべてはリノベーションである。私たちが向き合っているのはある計画の続きであり、完了したり破綻したり塩漬けになった計画が残したモノたちを、繋ぎ変えたり別の文脈に位置づけ直したりしながら新たな環境を紡ごうとする。
世界有数の技術で光学樹脂レンズ*を製造する日本特殊光学樹脂(NTKJ)は、世代交代に伴う技術継承や組織づくりなどの課題に取り組むなかで、社内の円滑なコミュニケーションを促す新しい環境を求めた。製造の効率化を第一に分業ベースで計画された当時の工場は、部門間で密に連携しながら業務を進めていくような構造とは程遠い。そこで離れて建つ2棟の工場を2階レベルで繋ぐブリッジを新築し、分散する事務機能を集約した新たなオフィスを工場内につくることを通して、画一的な工場を創造的な環境に変える。全長30mに及ぶブリッジはスムーズな人貨の移動を叶えるだけでなく、その有機的な形によるランドスケープ的な広がりをもって、2つの工場に挟まれた無味乾燥な駐車場を活性化し、建物と一体の公園のような広場に見立てる。工場から飛び出すように緩やかなカーブを描く空中の”園路”は工場の日常に開放感を与え、オフィス空間(次期工事を予定)に連続する。白く湾曲した立体はプリズムレンズで覆われた柱に支持される。レンズによる光の屈折と反射により、見る角度や光の入り方によって刻々と表情を変える現象的な柱である。滑らかで動きのある形がさまざまなイメージを想起させ、光と戯れる柱は実像を結ばず非現実的な様相を見せる。このランドスケープ的な現象はそこにあったモノのあり方を揺さぶり、駐車場が広場になるように、また”園路”の先にある工場が開放的なオフィスになるよう触発する。こうした連鎖は、ある計画の続きに柔らかな方向性を与え次なる想像力を生む。制御しきれない建築の現象的な側面は、建築を含めた大きな環境を創出するうえで大きな可能性がある。
施工
建築 シグマ建設 担当/福井良太 西口友晃
基礎 早伸松陽組 担当/簑島良宏
鉄骨躯体 髙橋工業 担当/髙橋和志 小野寺義昭
塗装 松坂屋建材 担当/石川学
金物 前田製作所 担当/前田稔
レンズ製作 日本特殊光学樹脂 担当/佐藤公一 佐藤章志
木サッシ 君嶋建具店 担当/君嶋清信
自動ドア ナブコシステム 担当/松本直樹
電気 関根電気商会
既存の環境に介入するという意味ですべてはリノベーションである。私たちが向き合っているのはある計画の続きであり、完了したり破綻したり塩漬けになった計画が残したモノたちを、繋ぎ変えたり別の文脈に位置づけ直したりしながら新たな環境を紡ごうとする。
世界有数の技術で光学樹脂レンズ*を製造する日本特殊光学樹脂(NTKJ)は、世代交代に伴う技術継承や組織づくりなどの課題に取り組むなかで、社内の円滑なコミュニケーションを促す新しい環境を求めた。製造の効率化を第一に分業ベースで計画された当時の工場は、部門間で密に連携しながら業務を進めていくような構造とは程遠い。そこで離れて建つ2棟の工場を2階レベルで繋ぐブリッジを新築し、分散する事務機能を集約した新たなオフィスを工場内につくることを通して、画一的な工場を創造的な環境に変える。全長30mに及ぶブリッジはスムーズな人貨の移動を叶えるだけでなく、その有機的な形によるランドスケープ的な広がりをもって、2つの工場に挟まれた無味乾燥な駐車場を活性化し、建物と一体の公園のような広場に見立てる。工場から飛び出すように緩やかなカーブを描く空中の”園路”は工場の日常に開放感を与え、オフィス空間(次期工事を予定)に連続する。白く湾曲した立体はプリズムレンズで覆われた柱に支持される。レンズによる光の屈折と反射により、見る角度や光の入り方によって刻々と表情を変える現象的な柱である。滑らかで動きのある形がさまざまなイメージを想起させ、光と戯れる柱は実像を結ばず非現実的な様相を見せる。このランドスケープ的な現象はそこにあったモノのあり方を揺さぶり、駐車場が広場になるように、また”園路”の先にある工場が開放的なオフィスになるよう触発する。こうした連鎖は、ある計画の続きに柔らかな方向性を与え次なる想像力を生む。制御しきれない建築の現象的な側面は、建築を含めた大きな環境を創出するうえで大きな可能性がある。
*フレネルレンズをはじめとする超高精細プラスチックレンズ。用途は多岐にわたり、立体映像や非接触ディスプレイ、光学センサー、建材、アート作品など。
建築概要
主体構造 鉄骨造
杭・基礎 直接基礎
杭・基礎 直接基礎
敷地面積 5681.21m2
建築面積 1736.22m2(うちブリッジ 78.31m2)
延床面積 3523.22m2(うちブリッジ 8.22m2)
建蔽率 30.56% (許容:60%)
容積率 62.00% (許容:200%)
階数 地上1階
建築面積 1736.22m2(うちブリッジ 78.31m2)
延床面積 3523.22m2(うちブリッジ 8.22m2)
建蔽率 30.56% (許容:60%)
容積率 62.00% (許容:200%)
階数 地上1階
最高高 8,850mm
軒高 8,800mm
天井高 2,200〜2,800mm
主なスパン 17,960mm
軒高 8,800mm
天井高 2,200〜2,800mm
主なスパン 17,960mm
設計
宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 清水襟子 吉田昂平(3D形状検討補佐)
構造
構造
yasuhirokaneda STRUCTURE 担当/金田泰裕 木村友美(元所員) 白石恵美(元所員)
監理 宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 清水襟子
監理 宮城島崇人建築設計事務所 担当/宮城島崇人 清水襟子
施工
建築 シグマ建設 担当/福井良太 西口友晃
基礎 早伸松陽組 担当/簑島良宏
鉄骨躯体 髙橋工業 担当/髙橋和志 小野寺義昭
塗装 松坂屋建材 担当/石川学
金物 前田製作所 担当/前田稔
レンズ製作 日本特殊光学樹脂 担当/佐藤公一 佐藤章志
木サッシ 君嶋建具店 担当/君嶋清信
自動ドア ナブコシステム 担当/松本直樹
電気 関根電気商会

