追分の納屋

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札幌の南東に位置する追分(おいわけ)にある納屋の改修計画。この納屋は数十年前にクライアントのおじいさんがセルフビルドで建設した元馬小屋で、現在もトラクターを停めたり、薪を切ったりというように納屋兼作業場として現役で使用されている。そうした機能を保持しつつ、新たにワークスペースとして利用できるように改修するのが本プロジェクトの目的である。デスクワークに加え、人が集まってミーティングができたり、ヨガやバーベキュー、パーティーなどができる多用途のハナレのようなものとなる。

改修はクライアント自身の手によって実行される。そのため材料は周辺のホームセンターで容易に手に入り、普通の車で搬送できるものを使い、できるだけ簡易なディティールを考えた。納屋本体の断熱性能には期待できないので、既存納屋は周囲の環境との関係を調整する第一の外皮と捉え、ワークスペースは断熱性能を備えた小さな入れ子の小屋として建設される。

納屋を取り巻く様々な活動は、季節の変化に応じてダイナミックに変化する。例えば春には、薪をつくるために敷地内の樹を切り倒してトラクターで運び、短く刻んで薪割りをして乾燥の準備をする。夏には草刈りや庭のメンテナンスがあったり、冬はトラクターで除雪をしたりする。納屋を取り巻いて起こる出来事をひとつひとつ検証していくと、納屋を起点とした人やモノと周辺環境のダイナミックな関係が見えてくる。そうした周辺環境との関係をより積極的に活かしながら新たな関係をつくりだすことが改修の主題としている。

納屋の北側には樹種に富む斜面の林地があり、南側には畑が水平方向に広がり、大きな空に向かう。そんな魅力的な周辺環境を納屋の内部に取り入れるべく、これまで建物の外周を覆っていたトタンを三種類のポリカーボネートで置き換えた。均質な空間にならないように透過性の異なる三種類のポリカ板を使用し、仕上げを変更する箇所は雨がかりや直射日光による伸縮の影響を考慮しながら注意深く選定した。

現在外壁の約2/3の改修が終わり、隣地側から樹々の色を移した拡散光が入り込むようになって内部の環境が劇的に変化した。進度はゆっくりであるが、今後も残りの外壁の改修、内部の施工と進行していく予定である。

追分の納屋

札幌の南東に位置する追分(おいわけ)にある納屋の改修計画。この納屋は数十年前にクライアントのおじいさんがセルフビルドで建設した元馬小屋で、現在もトラクターを停めたり、薪を切ったりというように納屋兼作業場として現役で使用されている。そうした機能を保持しつつ、新たにワークスペースとして利用できるように改修するのが本プロジェクトの目的である。デスクワークに加え、人が集まってミーティングができたり、ヨガやバーベキュー、パーティーなどができる多用途のハナレのようなものとなる。

改修はクライアント自身の手によって実行される。そのため材料は周辺のホームセンターで容易に手に入り、普通の車で搬送できるものを使い、できるだけ簡易なディティールを考えた。納屋本体の断熱性能には期待できないので、既存納屋は周囲の環境との関係を調整する第一の外皮と捉え、ワークスペースは断熱性能を備えた小さな入れ子の小屋として建設される。

納屋を取り巻く様々な活動は、季節の変化に応じてダイナミックに変化する。例えば春には、薪をつくるために敷地内の樹を切り倒してトラクターで運び、短く刻んで薪割りをして乾燥の準備をする。夏には草刈りや庭のメンテナンスがあったり、冬はトラクターで除雪をしたりする。納屋を取り巻いて起こる出来事をひとつひとつ検証していくと、納屋を起点とした人やモノと周辺環境のダイナミックな関係が見えてくる。そうした周辺環境との関係をより積極的に活かしながら新たな関係をつくりだすことが改修の主題としている。

納屋の北側には樹種に富む斜面の林地があり、南側には畑が水平方向に広がり、大きな空に向かう。そんな魅力的な周辺環境を納屋の内部に取り入れるべく、これまで建物の外周を覆っていたトタンを三種類のポリカーボネートで置き換えた。均質な空間にならないように透過性の異なる三種類のポリカ板を使用し、仕上げを変更する箇所は雨がかりや直射日光による伸縮の影響を考慮しながら注意深く選定した。

現在外壁の約2/3の改修が終わり、隣地側から樹々の色を移した拡散光が入り込むようになって内部の環境が劇的に変化した。進度はゆっくりであるが、今後も残りの外壁の改修、内部の施工と進行していく予定である。

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