とにかく色んな感覚を刺激したいという…

ここ数日の間、自分の身体を通した色んな体験が、ひとつひとつ身に染みていく感覚が心地良くてしかたがない。そんな数日間の濃縮された刺激のお話。
4日木曜日。
アトリエワンのオープンハウス+外構工事手伝い。神奈川のはずれに建つセカンドハウス。ちょっとした団体旅行みたい。
木材買出しに行っていると内部見学のタイミングを逃し、外観だけ拝んで外構工事(草むしり)に没頭することになってしまう。
…生々しい植物の匂い。
住処を追われ騒然とする虫たちを相手に、虫取り少年の懐かしい感覚がよみがえる。いちいち「○○がいる!」と見せびらかすも、周囲との明らかな温度差を感じ、一人ではしゃぐ自分が少し悲しい。
ササキリもヒメギスもイナゴもショウリョウバッタもツユムシも皆同じに見えるのだろう…かわいそうに。
そんなこんなの最高なアウトドアライフと程よい(いや、結構きつい)肉体労働をこなすと、気付けば庭は見違える状態に。四角い敷地に三角形のプランの意図が明確になる瞬間。
雨戸のような戸を開け放つと信じられないくらい開放的な空間が現れる。完全な外部。窓サッシ枠が無く、建具のレールが一本というディテールと、その境界におちる柱の存在の重要さに気付く。モルタル床暖もいい。まったりバーベキューで一階の空間を満喫したおす。
帰り道、初めて運転した深夜の246もかなり強烈で魅惑的な体験。深夜の東京を我が物顔で行くタクシーの群にかかんに飛び込む。
5日金曜日。
突然の打ち合わせ。4年担当のプロジェクト。いつもと違う場所で、いつもと違う雰囲気で、色々な人に出会う。相当刺激的でおもしろい。学ぶことも多い。積極的にかかわっていきたい。
6日土曜日。
学芸大学散歩。学芸大学駅で降りたのは初めてだったけど、東口の商店街はなかなかいい。人通りも多くにぎやかななか漂うどことなく控えめで上品な感じ。駅から離れるほどよい(笑)






そんな商店街を抜けて小さなギャラリー”YUKARI ART CONTEMPORARY/施井泰平展”へ。大きなテーマは「ネット時代におけるアート」だそうだが、うーん。。そういうことなのか。
虚の空間やデータベースを表現したようなもの-鏡や壁一面に配置された文庫本の背表紙-と実際にそこに存在しているリアルな物質としての実-わらや卵-が一枚の壁を隔てて不均等に置かれている。虚と実を対比的に表現しているのだという。
…もはや虚と実が単純な二項対立でないことは言うまでもない。両者は限りなく接近かつ融解しており、それぞれの存在が相互依存している。現実のマテリアルである文庫本の背表紙が配された壁は本棚のそれに近いが、荷重を支える横板が無いという点で決定的に違っている。実際のものを使って虚を表現する、或いは虚に近づこうとする試みそのものが興味深い。つまり、対比はすでに、リアルなもので虚を表現するという行為そのものの中に内包されている。ということか。
そんなふうに頭の体操をしながらふらふらふらふらしていると、あっという間に、また一日が終わる。
色んな出会いに感謝した週末。

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